電話・・・

2003年3月12日
酔っていたからだろうか。
あの人に電話をかけた・・・
呼び出し音を10回鳴らして出なかったら切ろうと決めていた。
1回、2回、3回と数える。
もう切ろうと諦めた時「もしもし」とあの人の声が聞こえた。
懐かしさとせつなさが入り混じった気持ちになってしまい、涙がこぼれてしまった。
楽しくない電話はかけてこないでくれ。と確か以前に言われていたのに、私はそんな電話をかけてしまった。

あの人は私と逢ったあの日を最後に私の携帯電話の番号を削除した。
自分の携帯に登録していない、大事ではない相手からの電話にはいっさい出ないと決めて。
それなのに今夜なぜ出たのか。
町内会の仕事のことで携帯に連絡がはいるようになっていたとのこと。
今日ではなかったらきっと電話には出なかったのだろう・・
私は最後の日に交わした約束のことを持ち出した。
「私との最後の約束覚えてる?」
『いや、ぜんぜん・・』

・・・・・
あの人はそんな約束をした事などすっかり忘れていた。
一瞬のためらいもなく、きっぱりと返答する。
私はその程度のおんなだったのだと、自分自身に改めて確認したようなものだ。
悲しみで胸が苦しくなった。
新しい恋人が、ほんの数ヶ月前に出来たとの事。
とても真剣に付き合っていることを聞いた。
楽しく会話をしようと思っていたのに、私の口から出たものは・・嗚咽だった。
ごめん、ごめんね。電話なんてかけて、ごめん。
嫌なこと思い出させてごめん。

「もうお風呂にはいるから。」


私と話したくないこと、よくわかったよ。あなたの言うように、電話などしないほうがよかったね。
元気かな。なんて思ったものだからついかけてしまったんだ・・


「なんとか元気でやってる」

「俺には俺の生活があるから」

「彼女のこと大事に思ってるんだ。真剣なんだ」


わかったよ。
元気だったらそれでいいんだ。
恋人が出来て、あなたが幸せならそれでいいんだ。
あなたの生活を邪魔したりするつもりはないの。
私はただ本当に懐かしかっただけなんだ。
きっとお酒に酔っ払っているんだろう。
泣いたら駄目だ、泣いたら駄目だ。
泣いたらいろんなことを思い出すから。
もう泣かないって決めたんだから。

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